新幹線で座りっぱなしでもシワになりにくい。夏の最強戦闘服「フレスコ生地」の魅力
夏の出張。新幹線や飛行機に揺られて数時間、目的地に到着して立ち上がった瞬間、スラックスの後ろやジャケットの背中にクッキリと入った「座りシワ」にガッカリしたことはありませんか?
大切な商談やプレゼンの前に、クシャクシャになったスーツ姿では、どうしても自信を持って臨めないものです。
「夏用スーツは薄くて軽いから、シワになるのは仕方がない……」
もしそう諦めているなら、ぜひ知っていただきたい生地があります。それが、英国生まれの最高にタフな夏生地「フレスコ」です。
今回は、夏でも品格を保ち、涼顔で戦うビジネスパーソンのための「最強の戦闘服」について、仕立て屋の視点からその魅力を徹底解剖します。
なぜ「座りっぱなし」でもシワにならないのか?
フレスコ生地の最大の武器は、圧倒的な「防シワ性」と「復元力」です。
一般的な夏のスーツ生地は、涼しさを追求するために糸を細くし、薄く、軽く織り上げます。しかし、それだとどうしても生地に体温と湿気が加わったときに、深いシワが刻まれやすくなってしまいます。
一方でフレスコは、全く逆のアプローチを取っています。
使われているのは「強撚糸(きょうねんし)」と呼ばれる、限界まで強くヨリをかけた頑丈な糸。この糸を2本、あるいは3本も撚り合わせて(2PLY / 3PLY)カッチリと織り上げるのです。
イメージするなら、「糸自体が強固なバネ」のような状態。 そのため、手でクシャッと握りつぶしても、手を離せば自らの復元力でパッと元通りになります。新幹線で2〜3時間座りっぱなしになろうが、立ち上がったときにはシワがほとんど消えている――これが、フレスコが「最強の戦闘服」と呼ばれる理由です。

ぐしゃっと握っても…

この復元力です。
メッシュ並みに風が通るのに、「透けない」という魔法
「そんなにガッチリした糸で織るなら、暑いんじゃないの?」と思われるかもしれません。
実は、フレスコは驚くほど涼しい生地です。
フレスコは織り目が粗い「ポーラ織り」という構造をしています。生地を間近で見ると、細かい網目のようになっており、「メッシュ素材」と同じ原理です。
新幹線のホームや街中で風が吹いた瞬間、衣服の中にスーーッと風が通り抜けていくあの快感は、一度味わうと病みつきになります。
ここで面白いのが、「光にかざすと向こう側が透けて見えるのに、いざ服として着ると肌や下着が透けない」という点です。生地自体にしっかりとした厚みと立体的な陰影(凹凸)があるため、着用時には視線をシャットアウトしてくれます。

「涼しいけれど、透けないし、だらしなく見えない」。この引き算と足し算のバランスが、大人の男にふさわしい機能美なのです。
あえて語る、フレスコ生地の「唯一の弱点」
ここまで絶賛してきたフレスコですが、プロとしてフェアにお伝えするために、あえてデメリットも隠さずお話しします。
それは、「着始めの肌触りが、少しザラっとしていて硬い」ということ。
シルクやサマーウールのツルツルとした滑らかさを期待して触ると、最初は「おや?」と思うかもしれません。
しかし、この硬さこそが、夏服にありがちな「ヘナヘナ感」を無くし、立体的なシルエット(仕立て映え)をキープしてくれる仕掛けです。しかも、デニムや革靴と同じように、着込めば着込むほど自分の身体のラインに馴染んで、柔らかく変化していくという育てる楽しみもあります。
まとめ:10年着られる、夏の相棒を
薄くて軽い夏服をワンシーズンでクシャクシャにして買い替えるのも一つの方法ですが、英国の知恵が詰まったフレスコで「10年着られるタフな一着」を仕立てる。これこそが、大人のビジネスパーソンの賢い選択ではないでしょうか。
出張の移動中もシワを気にせずリラックスし、新幹線を降りた瞬間から、仕立てのいいスーツで完璧な仕事をこなす。
今年の夏は、シワに負けない「最強の戦闘服」を身にまとって、涼顔で乗り切ってみませんか?
お店には、実際に触って、握って、その復元力を体感していただけるフレスコ生地の見本をたくさんご用意しています。ぜひ、この驚きの質感を確かめにいらしてください。