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「和の静けさ」を纏う。マオカラースーツと国産生地の美しい関係

スーツの世界には、クラシックなテーラードジャケットとは一線を画す、静かで凛とした存在感を放つデザインがあります。そのひとつが「マオカラー(立ち襟)」を取り入れたスーツです。
今回は、国産生地メーカー「国島株式会社」の上質な生地を用いて仕立てたマオカラースーツと、繊細なジャカード織ネクタイのコーディネートをご紹介します。
・オーダースーツ価格
¥75,000+税(税込¥82,500)
ブランド:KUNISHIMA
(マオカラーのオプション別途¥10,000+税)
目次
■ ミニマルでいて、印象に残る「マオカラースーツ」

マオカラースーツの最大の特徴は、襟の形状。一般的なノッチドラペルやピークドラペルとは異なり、立ち上がった襟が首元を包み込むような独特のシルエットを描きます。このディテールがもたらすのは、どこか東洋的な落ち着きと、研ぎ澄まされた印象。
襟元のボタンをきちんと留めることで、端正な印象を際立たせる一方で、第一ボタンを開ければ柔らかさや抜け感も演出できます。シンプルで無駄のないデザインだからこそ、着る人の個性や表情が際立つ一着です。
■ 国島の国産生地が支える、上質な着心地と風格

このマオカラースーツに用いたのは、**国島株式会社(KUNISHIMA)**の生地。国内生産にこだわり、確かな品質と仕立て映えの良さで知られる国産ファブリックブランドです。
高密度に織り上げられた生地は、しっかりとしたハリ感がありながらも、手触りはとても滑らか。微光沢のある表面がマオカラーの襟やフロントボタンの直線的なラインを美しく引き立ててくれます。
「シンプルなデザインだからこそ、生地の良し悪しがダイレクトに伝わる」。そう感じさせてくれるのが、この組み合わせの魅力です。
■ 繊細なジャカード織ネクタイが添える、静かな華やかさ

スーツに合わせたネクタイは、ドーメルのジャカード織。
深いブルーをベースに、ピンクのドット柄が繊細に散りばめられた一本で、落ち着いたトーンの中に遊び心を感じさせます。
マオカラースーツは襟元がタイトな分、Vゾーンの面積が狭くなります。そのぶん、ネクタイの柄や結び目が視線を集めやすく、ほんの少しの色や質感の違いがコーディネート全体の印象を大きく左右します。
このネクタイは、主張しすぎることなく、品よく装いに彩りを添えてくれる存在。まさに“引き算の美学”を体現したような選びです。
■ 「マオカラー × 国産生地」がもたらす、新しいスーツの選択肢

一般的なスーツスタイルとは異なり、マオカラースーツはまだ日本国内では「少し変わっている」と思われがちな存在かもしれません。しかし、だからこそ――
自分らしさや、着る人の内面の美意識をさりげなく伝えてくれる選択肢でもあります。
特に今回ご紹介したように、確かな品質の国産生地と組み合わせることで、よりいっそうの“信頼感”と“本物感”が漂います。国内で丁寧に作られた素材を使い、洗練されたシルエットで仕立てる。それは、洋服でありながら、どこか日本らしい「粋」を感じさせる装いです。
■ 最後に
「奇をてらう」ではなく、「静かに美しく在る」。
マオカラースーツと国産生地の組み合わせは、そんなスタイルを求める方にぴったりの一着です。
日々のビジネススタイルに取り入れるのはもちろん、格式を重んじたいフォーマルなシーンにも自然と馴染む、時代を超えた魅力があります。
「いつものスーツに、少しだけ変化を加えてみたい」と思ったとき、ぜひ一度、マオカラースーツを選んでみてはいかがでしょうか。